核酸とは何か?
核酸は細胞内に存在する巨大で複雑な生体分子です。生物の遺伝物質として機能し、すべての生物の形成と機能の命令を封じ込めたものです。核酸は通常、天然に存在する2つの形態で発見されるDNA(デオキシリボ核酸)とRNA(リボ核酸)です。
DNAとRNA
DNAとRNAはヌクレオチドで構成され、それぞれ炭素数5の糖、窒素塩基、リン酸基からなります。DNAは対になったヌクレオチドの二本鎖で形成されますが、リボ核酸(RNA)は通常一本鎖です。DNAのヌクレオチドはアデニン、シトシン、グアニン、チミンですが、RNAはチミンの代わりにウラシルを含みます。DNAの塩基配列は遺伝子と呼ばれる単位に組織化され、個々のタンパク質をコードする情報を封じ込めます。遺伝子のDNAは転写されて遺伝子のRNAコピーが作られ、それがタンパク質を合成する鋳型となります。
遺伝子の塩基配列を変化させるDNA損傷や突然変異は、正常な細胞機能を破壊する機能不全タンパク質をもたらす可能性があります。癌は、遺伝子の突然変異がいかに細胞行動の正常な制御を乱し、制御不能な細胞増殖をもたらすかの典型的な例です。遺伝子の機能と、病気を引き起こす遺伝子の変化に関する研究は、今後も新たな治療法の開発につながるでしょう。